バスは年に何回かしか乗らないんだけど。
この前久しぶりに乗った時の話。
私は一番後ろの席から1つ前の、2人席の窓側に座ってた。
結構混雑してて、立ってる人もいた。
しばらく乗ってたら。
ある停留所でたくさんの人が降りた。
私の隣の人も降りて、そのタイミングで後ろに座ってたおじさんが、私の隣に座った。
60代とかそれぐらい?
そして私に
「すぐ降ります?」と聞いてきた。
私が奥に座ってたから、どうやら気を使ったらしい。
なので、終点まで行くことを伝えた。
その後おじさんは、本を読んでた。
そして、しばらくすると突然話しかけてきた。
「私、こう見えて苦労してるんですよ」
???
そして、読んでた本をチラっと見せてきた。
どうやら曽野綾子さんのエッセイらしい。
その1文を読んでる。
何かよく覚えてないけど、色々話した後、
「それでも頑張ってるんですよー」と。
で。
私にも、頑張らないとダメだみたいなことを言ってくる。
私は、声にもならないような小さな声で、「はぁ…」と頷く程度。
おじさんが一方的にガンガン話してくる。
そしたら。
「私こう見えて結構モテんですよ」とか言い出した。
こう見えてって、さっきから言ってるけど、どう見えてると思ってるのか?
まぁ確かに地味で、どこにでもいるおじさんって感じ。
パッと見はモテそうに見えない。
ていうかモテそうに見えるおじさんって、相当だよね。どうでもいいけどさー。
「よく女性から優しいって言われるんですよ」とも言ってる。
…。
なんなんだろう?この時間。
新手のナンパか?
とか思ったけど。
終点に着いたら、「じゃあ気を付けて」って、そそくさと帰って行った。
頭の中が「?」でいっぱいだった。
何これ?
一方的に話を聞かされて、ほんのり説教じみたことも言われ。
自分はモテると自慢され、ナンパかと疑った自分が、
恥ずかしわー。
おじさん。
曽野綾子さんのエッセイを読んで、何か感化されちゃったのかね。
で、誰かに話したくなったとか?
うーん。
私にとっては、すごく変な時間だったわー。
久しぶりに乗ったバスなのに、あのおじさんに会う運命だったのか?
いやいや。
どうでもいいわー。
早く忘れよう。